2004年11月27日

文学の本質-荒唐無稽之記事

谷崎潤一郎1886-1965
junichiro tanizaki

「武州公秘話」

数ある谷崎文学の中で、この作品ほど笑えた作品
はない。そして、文章を書きたい、という衝動を
この作品ほど喚起させたものはない。

「読者よ、いたずらに「荒唐無稽之記事」扱いな
さらずに、作者の意のある所をくみ取って下され
ば、幸いである。」

武州公秘話・聞書抄

「つらつら武州公の行状を考えると、世の中には
善人も悪人もなく、豪傑も凡人もない。賢き人も
時には浅ましく、猛(たけ)き人も時には弱く、
きのう戦場において百千の敵を取り挫(ひし)い
だかと思えば、きょうは家に在って生きながら獄
卒の苔(しもと)を受ける。・・・
畢竟するに武州公は、因果のことわり輪廻の姿を
一身に具現して衆生の惑いを覚まさんがために、
しばらくこの世に仮形し給うた佛菩薩ではないで
あろうか。・・」(妙覚尼)

「鼻欠けの夫と世にたぐいもなく美しい夫人と、
この二人を並べて見ることが彼の秘められたる望
みであった。」

冒頭漢文による「武州公秘話序」を読める人はあ
まりいないでしょうが、内容は、日本の有名な武
将にもじつは性的奇癖の持ち主が幾人もいた、と
いうものである。


panse280
posted at 14:55

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