2004年11月13日

何を書いてもよいか

夏目漱石1867-1916
souseki natume

「文芸の哲学的基礎」(2)


何を書いても、構わないことだろうか?
漱石だったら、きっとこう答えるだろう。
”それを判断するのは、法ではなく、人格
の問題だ。”


<文芸は人格なり>
「文芸は単なる技術ではありません。人格のない
作家の作物は、卑近なる理想、もしくは、理想な
き内容を与うるのみだからして、感化力を及ぼす
力も極めて薄弱であります。
偉大なる人格を発揮するためにある技術を使って
これを他の頭上に浴(あび)せかけた時、始めて
文芸の功果は炳焉(へいえん)として末代までも
輝きわたるのであります。」

<理想とは答案なり>
「理想とは何でもない。如何にして生存するが尤
もよきかの問題に対して与えたる答案に過ぎんの
であります。画家の画、文士の文、は皆この答案
であります。」


panse280
posted at 21:15

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