2004年11月04日

考える達人

ショーペンハウエル1788-1860
Arthur Schopenhauer

「思索・文体・表現・現象・認識」


考えるためには、方法がある。方法は作家の文体
となる。名文とは優れた文体と同義である。
私たちが、考える方法を身につけるためには名文
を読むにこしたことはない。
ショーペンハウエルは、優れた文体をもつ稀有な
哲学者である。


<考えられる範囲>
「我々が徹底的に考えることが出来るのは自分で
知っていることだけである。」

<考え抜くということ>
「知るためには学ぶべきである。だが知るといっ
ても真の意味で知られるのはただすでに考えぬ
かれたことだけである。」

<一級の精神>
「第一級の精神にふさわしい特徴は、その判断が
すべて他人の世話にならず直接自分が下したも
のであるということである。」

<著述家の評価>
「著作を評価するためには、その著者が何につい
て、何を考えたかを知るにはおよばない。・・
・彼がどのように思索したかを知るだけで充分
である。ところで、この「いかに、どのように」
は言い換えればその人の思索にそなわる固有の
性質であり、それを常にすみずみまで支配して
いる独自性である。思索のもつこの性質を精密
に写し出しているのが、その人の文体である。」

<表現の簡潔さ>
「表現の簡潔さとは、真の意味ではいつもただ言
うだけの価値があることだけを言い、だれでも
考えつきそうなことには一切、冗長な説明を加
えないこと、必要なものと不要なものとを正し
く区別することである。」

<古典>
「精神のための清涼剤としては、ギリシャ、ロー
マの古典の読書にまさるものはない。」

<実体から現象へ>
「わたしたちが、死人はもとより、あらゆる動物
の死骸をみると、なんともいえぬ憂鬱な気分に
襲われるのは、こうして形態(からだ)が、実
体ではなくて、単に、それの現象に過ぎなかっ
たということを、その屍から最も鮮やかに見せ
つけられるのによる。」

<芸術の目標>
「芸術の唯一の起源は理念の認識であり、芸術の
唯一の目標はこの認識の伝達である。」


panse280
posted at 20:16

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