2004年10月30日

私の理想

ニーチェ1844-1900
Friedrich Nietzsche

「私の理想」

毒舌の帝王ニーチェと、謙虚の聖者宮沢賢治
の理想が”同じ”だという事実に、驚くより
も納得してしまう。
「雨ニモマケズ」を読むとき、世界の億万長
者達が、虫けらほどに、ちっぽけに見えてし
まうのである。


「私の理想は、目障りにならぬような独立性、
それとわからぬ静かな誇り、つまり、他人の
名誉や喜びと競合せず、嘲弄にも耐えること
によって得られる、まったく他人に負い目の
ない誇りである。
このような理想が、私の日常の習慣を高貴な
ものにせねばならぬ。

低俗にならず、交際は欠かさず、欲はもたず、
静かに努力し、高く飛翔する。
自分自身のことは簡素で、つつましく、他人
にはやさしく。安眠と、軽やかな足取り、酒
は飲まず、王侯貴顕の輩とは付き合わず、女
と新聞に無関心、名誉を求めず、交際は最高
の精神の持主と、時折、下層の民衆(彼らは、
強靭で元気な植物を見るのと同じように、必
要である)に限り、ありきたりの食事で満足
し、意地汚く舌鼓を打つような連中の群れに
入らぬこと。食事はできれば自分でつくるの
がいいが、出来合いのものでもいい。」
(「遺された断想」)



<ニーチェの野心>
「私の野心は、ほかの誰もが一巻の書で言う
こと、ほかの誰もが一巻の書でも言わないこ
とを、十の文章で言うことである。」
(「偶像の黄昏」)

<友愛>
「数時間の登山は一人の悪者と一人の聖者をかなり
似通った人間に仕立てあげる。
疲労は、平等と友愛へのいちばんの近道だ。」
(「人間的な、あまりに人間的な」)


panse280
posted at 10:17

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