2004年10月26日

エロスの母親の名前は?

三島由紀夫1925-1970
yukio mishima

「三島由紀夫の美学講座」
-芸術にエロスは必要か-より

誰でも知っている言葉”エロス”、しかし、その母親
と父親を知っている人は少ない。

三島由紀夫の美学講座

<エロスの母は”窮乏”父は”術策”>
「饗宴」(プラトン)の中で、賢女ディオティマの語る
ところによると
「エロスという奴は、神でもなければ人間でもない、死
なないものと死すべきものとの中間にあって、偉大な神
霊(ダイモーン)なのだそうだ。ダイモーンは、神と人
間の中間にいるのである。
エロスは母親であるペニヤ(窮乏)に似て、貧乏で、汚
らしく、跣足(はだし)で、宿無しであり、父親である
ポロス(術策)に似て、勇敢で、術策に窮せざる狩人で
あり、又、エロスの生まれたのがアフロディテの誕生日
であるところから、いつもアフロディテの僕(しもべ)
となって、美に憧れている。・・・・・重要なことは、
エロスが智慧と無智の中間におり、自ら智慧をもつゆえ
に智慧を求めない神と、無智なるが故に智者になりたい
とも思わぬ無智者との丁度中間にいて、自分の欠乏の自
覚から、智慧を愛し求めている存在だということである。」


panse280
posted at 21:06

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