2004年06月07日

古池や 蛙とび込む 水の音

松尾芭蕉1644-1694
basho matsuo

「古池や 蛙とび込む 水の音」 

この句を、全ての俳句の中で、
最も有名にした、日本人の
感性に驚嘆する。


芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄
芭蕉連句集


「古池や 蛙とび込む 水の音」 
鈴木大拙氏の解釈を紹介します。

この句は、芭蕉の師、仏頂和尚との対話から
生まれた。

仏頂和尚:世界が存在した以前に何が在るか。

芭蕉:蛙とび込む水の音

この対話の答えに、後に、初句、古池や、を
付加したものだった。

芭蕉の、この句は、「時間なき時間」を有する
永久の彼岸によこたわっている。

芭蕉の洞徹した「無意識」は、古池の静寂には
なくて、蛙のとび込む音にあった

用語集------------------------------

<不易流行>

「句に千歳不易のすがたあり。一時流行のすがたあり。
これを両端にをしへたまへども、その本一なり。」
(俳諧問答・贈晋子其角書)

「師の風雅に万代不易有。一時の変化有。この二つに
究り、基本一つ也。」
(三冊子)

「蕉門に千歳不易の句、一時流行の句と云有り。是を
二つに分て教へ給へる、其元は一つ也。」
(去来抄)

<軽み>

「翁今思ふ体は浅き砂川を見るごとく、句の形、付心ともに
軽きなり。其所に至りて意味あり」と侍る。
(別座鋪・子珊序)

翁曰、「俳諧ニ暫クモ住スベカラズ、住スル時ハ重シ。」
(不玉宛去来論書)

去来曰「軽ニアラズンバ何デ旧染ノ重ヲ破ランヤ。」

<さび>

「句のさびはいかなる物にや。」去来曰、「さびは句の色なり。
閑寂なる句をいふにあらず。仮令ば、老人の甲冑を帯し戦場
に働き、錦繍をかざり御宴に侍りても、老の姿有がごとし。
賑かなる句にも静かなる句にもあるもの也。」


panse280
posted at 16:16

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