2004年10月21日

ベストセラー作家の純情

片山恭一1959-
kyoichi katayama

「考える元気」-DNAに負けない心:改題-

ベストセラー作家の純情

2001年発表の「世界の中心で、愛をさけぶ」が
2004年大ブレークを起こした作家が、2000年に
書いた本である。

「そのころぼくは、すでに出した本がまったく
売れなかったため、つぎの本を出せずに苦労し
ていた。」(あとがき、より)

考える元気―DNAに負けない心

<売れる作品を書こう!>
「私、じつはリストラされたことがあるんです。
某出版社から。・・・
私のやっている「純文学」は伝統的にいちばん
売れないことになっている。いわば呪われたジ
ャンルであり、企業家的な発想に立てば、やは
り最初にリストラを考えるだろう。
これからは崇高な目標だけではいけない、と私
もようやく目が覚めた。うかうかしていると、
他の出版社からも次々にリストラされてしまう。
そうならないために、崇高な目標と収益性がリン
クするような作品を書こう、と日夜知恵を絞って
いる。」

<ぐれてやる!>
「最近の若い連中(と言わせてもらいます)の書く
小説には、不必要に暴力シーンがあったり、不条理
に女の人が乱暴されるシーンがあったり、・・・・
一方、清らかな高校生の恋愛を描いた私の珠玉の
ような作品は、「この不景気に高校生の恋愛もの
なんて誰も読みませんよ」という冷たい編集者の
コメントとともに突き返されてくる。心外である。
「ぐれてやる」と思う。」

<もしベストセラー作家になったら・・・>
「私は小説で何千万も儲けたことがないから実感は
ないが、もしベストセラーを書いてわんさかお金が
入ってきたらどうだろう、と想像してみる。
たぶん嬉しいことは嬉しいだろうが、すぐに嬉しい
ことに慣れてしまい、しばらくすると「なんだ、こ
んなものか」という状態に落ちつきそうな気がする。」

<片山氏の、”若干の心がけ”>
1 所有から享受へ
  所有はどこまでいっても空虚である。生の充実
  は享受のなかにしかない。
2 「群れ」から「個」へ
  所有は「群れ」の行動様式であり、享受しうる
  のは「個」である。
3 善悪から美醜へ
  「群れ」を統率する原理が善悪である。「個」に
  とってのモラルは、善悪ではなく美醜である。
4 見えるものから見えないものへ
  美しいものは目にみえない。見えるものは、すべ
  て一つの比喩である。
(注:上記は、全文ではない)


panse280
posted at 09:02

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