2004年09月26日

少女が書いた最も有名な物語

メアリー・シェリー1797-1851
Mary Wollstonecraft Godwin Shelley

「フランケンシュタイン」

科学者フランケンシュタインは死者をよみがえら
せることに情熱をそそいだ・・・

1818年に出版したこの小説の作者はなんと、19才
の少女だった。

フランケンシュタイン

「私の運命を支配した魔物は自然哲学である。だか
ら私は、この物語の中で、私がこの学問を偏愛する
ようになった事情も語りたいと思う。私が十二歳の
とき、一家をあげてトノンの近くの温泉場に遊びに
行ったが、天候が悪かったので私たちはやむなく宿
屋にまる一日とじこもった。この家で私は偶然コル
ネリウス・アグリッパ〔中世のドイツの物理学者・
神学者〕の著作の一冊を見つけだした。私は冷淡な
態度でそれを開いてみたのだが、著者が証明を企て
ている理論と、著者が語っている驚異的な事実が、
やがてこの冷淡な態度を熱心な態度に変えてしまっ
た。一つの新しい光が私の頭にさしてきたような気
がしたので、私は喜びに心をおどらせて、父にこの
新発見を報告した。父は無造作に私の書物のとびら
を見て言った。「ああ! コルネリウス・アグリッ
パか! ヴィクトル、こんなものにおまえのたいせ
つな時間をかけるんじゃないよ、それはひどい駄作
だ」
 もし父が、こういうことを言わずに、アグリッパ
の原理は完全に論破されていて、今では近代的科学
体系がとり入れられている、そして古代科学の力は
妄想的だが近代科学の力は現実的実際的であるから、
近代科学のほうが古代科学よりずっと大きな力をも
っている、ということを私に説明するだけの骨折り
をしてくれていたならば、あのような環境のもとに
あったのだから、私はきっとアグリッパをわきへ投
げすてて、さらに大きな熱心をもってもとからの研
究に立ち返ることによって、いきり立った私の想像
力を満足させていたことだろうし、私の観念のつら
なりが、後で私の破滅を結果した致命的な衝動を受
けないですんだことであろう。
・・・
私は最大の勤勉をもって、哲学者の石〔錬金術士が
用いたという、あらゆる金属を金に化し、万物を治
する秘剤〕と長命液〔不老不死の霊薬〕の研究には
まりこみ、やがて後のほうの研究にもっぱら注意を
そそいだ。富は目的としてはくだらないものであっ
て、もし私が人体から病気を駆逐することができ、
人間が暴力による以外にはなんとしても死なないよ
うにすることができたならば、その発見にはなんた
る栄誉が与えられることであろう!」


panse280
posted at 11:25

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