2004年08月28日

鴎外と賢治を足して2で割ったような名文

中島 敦1909-42
atsushi nakajima

「李陵(りりょう)」

”あたりがシーンとするくらい”感動的
な作品である。


山月記・李陵 他九篇
「中島敦」(森田誠吾)文春文庫400円

深田久弥氏は語る。
「私は中島敦君の死後の家へお悔やみに
いった。その時、敦君の奥さんから一篇
の原稿を渡された。
今まで見た君の原稿は、全く訂正のあと
も留めない綺麗なものであったのに、今
度の原稿は、無残と言いたいくらい、書
入れや抹殺で汚されていた。書入れは原
稿用紙の欄外を埋め、時には紙の裏にま
で及んでいた。こんなに文章に苦労して
いたことを私は始めて知った。
その原稿を読み終わった時、私は、誇張
して言えば、あたりがシーンとしたくら
い感動した。文学作品を読んで、これほ
ど感動したことも稀(まれ)である
・・・・・
草稿には題が無かったので、私が「李陵」
とつけた。」

吉川幸次郎氏は語る。
「中島さんの「李陵」を、私はかって漢
書の李陵伝に対照して読んで見た。
そのある部分は漢書の文章を、ほとんど
逐字逐句的に追っている。しかも、それ
は中島さんの文章であり、中島さんの文
学であった。」


panse280
posted at 16:51

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