細君の掃除法
「吾輩は猫である」(75)
夏目漱石 natume souseki 1867-1916
2009.9 15 110刷発行(新潮文庫)
(日本語の表現を探して)
<細君の掃除法>
「ここの細君の掃除法の如きに至っては頗る無意義
のものと云わざるを得ない。何が無意義であるかと
云うと、この細君は単に掃除の為に掃除をしている
からである。はたきを一通り障子へかけて、箒を一
応畳の上へ滑らせる。それで掃除は完成した者と解
釈している。掃除の源因及び結果に至っては微塵の
責任だに背負っておらん。」