2019年10月28日

「吾輩は猫である」(68)

夏目漱石  natume souseki 1867-1916

2009.9 15 110刷発行(新潮文庫)

(日本語の表現を探して)

<鏡>
「元来鏡と云う者は気味の悪いものである。深夜ロウソク
を立てて、広い部屋のなかで一人鏡を覗き込むには余程の
勇気がいるそうだ。吾輩などは始めて当家の令嬢から鏡を
顔の前へ押しつけられた時に、はっと仰天して屋敷のまわ
りを三度駆け回った位である。如何に白昼とはいえども、
主人の様にかく一生懸命に見詰めている以上は自分で自分
の顔が怖くなるに相違ない。」

panse280
posted at 01:58

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