国学者と儒学者の偏見
「美と宗教の発見」(8)
梅原猛 1925-2019
takeshi umehara
2018.3.30 第13刷発行(筑摩書房)
<国学者と儒学者の偏見>
われわれは論語や孟子、さらに十八史略など
を読むが、法華経や、日本人にもっとも読まれた
仏典である観音経を読もうとしない。
バイブルを読まずに西洋文学ができないように
仏典を読まずに日本文学は理解できない。
新古今集を仏教の影響なしに見るということは
俊成や定家らが天台止観の熱狂的信奉者であった
ことを無視する暴挙であるだろう。