何者であるか
「幸福について」(1)
ショーペンハウアー1788-1860
鈴木芳子 訳
2018.1.20 初版発行(光文社古典新訳文庫)
<何者であるか>
幸福には「何者であるか」のほうが、
「何をもっているか」よりも、有効である。
なのに、人は、知的教養よりも、富のために
一生懸命だ。
精神がからっぽでは、最高級の楽しみである
知的な楽しみを楽しむこともできない。
そんな彼らは、芝居、遠出やダンスパーティー
と絶え間なく動くが退屈で満足できない。
すなわち有り余る巨万の富は、私たちの
幸福にはほとんど貢献しない。