2017年09月18日

明治時代のキリスト教徒

「思想の歴史12 」(1)
--二十世紀アジアの展開-
田中美知太郎編

1971.7.1 初版第2刷発行(平凡社)

<明治時代のキリスト教徒>
漱石(1867-1916)がモーパッサンの小説を紹介して
明治という時代を語ります。

「男は妻の他に女をつくり彼女の家で暮らします。
妻はやっとのことで夫を見つけてその家にのりこみます。
妻は夫に「私を捨てるのなら、そこの窓から飛び降りて
死んでしまう」という。
まさかと思った男は「どうぞ」と窓の方へ誘う所作を
した。すると女はほんとうに飛び降りてしまった。
女は死にはしなかったが、不具者となった。
本心を知った男は残る半生を彼女の看護に捧げた。」

内村鑑三(1861-1930)は明治時代を次のように
表現している。

「日本の最大困難は、キリスト教を採用せずして
キリスト教的文明を採用したことです。
自由とか民権とかいうものはキリスト教なくして
起こったものではありません。」

内村鑑三は漱石より早く生まれ、遅く死んだ。
漱石にように明治ッ子であった。彼の一生は
日本社会にいながらのキリスト教徒でいること
の苦闘の歴史だった。
結果、現在の日本ではキリスト教徒はほとんど
いない。

panse280
posted at 07:55

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