2017年09月02日

義理人情の世界

「思想の歴史6 」(7)
--東洋封建社会のモラル-
石田一良編

1970.5.25 再版発行(平凡社)

<義理人情の世界>
「義理」は封建的な道徳であり、「人情」は
近代的な人間的な欲求である。

近松門左衛門は町人が人間的欲求を掲げて、
武士によって守られてきた封建的道義に対して
死をもって抵抗した事実を演劇としてあらわした
ものである。

井原西鶴(1642-93)は人情を謳歌し、近松は
義理人情の葛藤を描いた。
西鶴は義理の世界を回避する。世之介は義理の
世界に生活の根拠をもたぬ。

いつの世も、貧乏人が一番強い。
武士は義理にしばられるが、貧しい人は
自由気儘である。

中島敦もそんな小説を書いている。


panse280
posted at 07:00

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