2017年05月16日
インスピレーション
「春の草」(3)
岡潔 1901-1978
kiyoshi oka
2010.7.1 第1刷発行(日経ビジネス人文庫)
<インスピレーション>
「私にとって京大で最も重要だったことは、
微分積分・微分方程式によって、だいぶでき
かかっている意識の持続に仕上げをしてもらった
ことです。
微分積分・微分方程式の問題を解くのに、二週間
かっきりかかったこともあります。
フォルサイスの「小微分方程式」を、その「鍵」に
よって解き方をみると、ときにすばらしいものが
あり、こんなおもしろいことは生涯のうち幾度も
ありませんでした。
あまりのおもしろさに一月中の講義を休んで問題
を解きつづけました。
三学期に不変式と合同式に関する試験がありました。
問題は不変式で、これは尋常一様の方法では解ける
はずがなく、私は深沈と考えこんでしまいました。
残り半時間になったとき、着想がひらめいた。私は
思わず”できたー!”と叫びました。それから鉛筆
を走らせて時間ぎりぎりに答案を出すことができま
した。
このとき働いた知力がポアンカレのいう、インスピ
レーションなのです。
これで自信を得て、二年から志望を物理から数学に
変えたのです。」
岡潔 1901-1978
kiyoshi oka
2010.7.1 第1刷発行(日経ビジネス人文庫)
<インスピレーション>
「私にとって京大で最も重要だったことは、
微分積分・微分方程式によって、だいぶでき
かかっている意識の持続に仕上げをしてもらった
ことです。
微分積分・微分方程式の問題を解くのに、二週間
かっきりかかったこともあります。
フォルサイスの「小微分方程式」を、その「鍵」に
よって解き方をみると、ときにすばらしいものが
あり、こんなおもしろいことは生涯のうち幾度も
ありませんでした。
あまりのおもしろさに一月中の講義を休んで問題
を解きつづけました。
三学期に不変式と合同式に関する試験がありました。
問題は不変式で、これは尋常一様の方法では解ける
はずがなく、私は深沈と考えこんでしまいました。
残り半時間になったとき、着想がひらめいた。私は
思わず”できたー!”と叫びました。それから鉛筆
を走らせて時間ぎりぎりに答案を出すことができま
した。
このとき働いた知力がポアンカレのいう、インスピ
レーションなのです。
これで自信を得て、二年から志望を物理から数学に
変えたのです。」