2017年03月20日

奇怪な飛翔物

「零式戦闘機」(2)

吉村昭  1927-2006
akira yoshimura

2013.6.10 第51刷発行(新潮文庫)

<奇怪な飛翔物>

小さな東洋の一島国である日本から羽ばたいた戦闘機
に、自分の国の技術者がその全精力をあげてつくり
あげて作り出した戦闘機がほとんど抵抗もできないよ
うな劣ったものであるとは思えなかった。
空戦を重ねるたびに大きな痛手をうけ、それは、戦慄
すべき恐怖と変わっていった。

かれらにとって、零式戦闘機は、すでに戦闘機ではなく、
神秘性をおびた奇怪な飛翔物だった。

その飛翔物と遭遇すると、おびえ、避けるようになっていた。
もはや零式戦闘機と対等に戦闘できる戦闘機は世界に
一つも存在しなかった。

panse280
posted at 07:21

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