2016年05月04日

トリスタンとイゾルデ

「悲劇の誕生」(26)
ニーチェ  1844-1900
Friedrich Wilhelm Nietzsche
西尾幹二 訳

2014.4.25 3版発行(中公クラシックス)

<トリスタンとイゾルデ>
「トリスタンとイゾルデ」の第三幕を
言葉や形象の助けをかりずに知覚できる
ような人、それはいわば世界意志の心室に
耳を当てた人である。

狂暴な生存欲が、あるときは怒号する奔流と
なり、またあるときはささやかに散りしぶく
せせらぎとなって、世界意志の心室から
世界中の血管の中へ注ぎこまれるさまを
我が身に感ずる人である。

こういう人は、瞬時にして、ばらばらに
砕け散ってしまうのではないだろうか?
破壊をまぬがれる方法は神話しかない。

panse280
posted at 11:36

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