2016年04月24日
楽天主義への勝利
「悲劇の誕生」(19)
ニーチェ 1844-1900
Friedrich Wilhelm Nietzsche
西尾幹二 訳
2014.4.25 3版発行(中公クラシックス)
<楽天主義への勝利>
楽天主義から救ったのは、カントとショウペン
ハウアーである。
勝利とは、近代文化の基盤である楽天主義、論理
の本質の中にひそんでいる楽天主義にたいする
勝利にほかならない。
ショウペンハウアーの言葉を借りれば、
「空間、時間、因果律の法則は、夢みている
人間をさらに一層深い眠りに陥らせることに
役立つにすぎない」のだった。
今、楽天主義が終わり、悲劇的文化が始まろう
としている。悲劇的文化は、科学のかわりに
英知が最高の目標とみなされる。
理論的人間は、もはや何一つ事物を全的な
姿でとらえようとはしない。
彼は、楽天主義的な物の見方によって、
骨抜きにされてしまったのだ。
ニーチェ 1844-1900
Friedrich Wilhelm Nietzsche
西尾幹二 訳
2014.4.25 3版発行(中公クラシックス)
<楽天主義への勝利>
楽天主義から救ったのは、カントとショウペン
ハウアーである。
勝利とは、近代文化の基盤である楽天主義、論理
の本質の中にひそんでいる楽天主義にたいする
勝利にほかならない。
ショウペンハウアーの言葉を借りれば、
「空間、時間、因果律の法則は、夢みている
人間をさらに一層深い眠りに陥らせることに
役立つにすぎない」のだった。
今、楽天主義が終わり、悲劇的文化が始まろう
としている。悲劇的文化は、科学のかわりに
英知が最高の目標とみなされる。
理論的人間は、もはや何一つ事物を全的な
姿でとらえようとはしない。
彼は、楽天主義的な物の見方によって、
骨抜きにされてしまったのだ。