2016年04月21日

何故「音楽」が死滅したのか

「悲劇の誕生」(16)
ニーチェ  1844-1900
Friedrich Wilhelm Nietzsche
西尾幹二 訳

2014.4.25 3版発行(中公クラシックス)

<何故「音楽」が死滅したのか>
その破壊者の始祖は、ソクラテスである。

ソクラテスという人物において世にはじめて
現れたあの信念、自然の究明可能性と、知識の
普遍的治癒力とに対する、あの信念にほかなら
ない。

この休みなく、ばく進する科学の精神が真っ先
に破壊したのが神話である。
神話を取り戻すには、「音楽」の再生が必要なの
だが、現代の音楽は、本来のディオニソス的なも
のではなくアポロ的なものだ。つまり、知的な模写だ。

アリストファネスが、かってソクラテスとエウリ
ピデスを非難したのはそういうことなのだ。

神話とは、無限の中を凝視する普遍性と真理性の
唯一の範例として、直観的に感じとられることを
要求するものである。
真にディオニソス的な音楽は、世界意志のこうした
普遍的な鏡として、われわれの前にあらわれる。

panse280
posted at 07:01

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