2016年03月24日
曖昧な国、スペイン
「ドン・キホーテに関する思索」(5)
ホセ・オルテガ・イ・ガセット 1883-1955
Jose Ortega y Gasset
1970.3.1 第2刷発行(現代思潮社)
<曖昧な国、スペイン>
「ドン・キホーテ」、この嘲笑の風をよそおった
つつましい小説よりも深遠な本があるだろうか。
この小説にあてられた数々の照明は外国人から
発せられたものである。
それはすてきに珍しいものであった。
つまりわれわれ、スペイン人の場合のように
運命の問題ではなかったのである。
ドン・キホーテはスペインの秘密、そして
スペイン文化の曖昧さの看視人なのだ。
セルバンテスに比べればシェイクスピアは
観念論者に見えてしまう。
「ドン・キホーテ」、この本以上にスペインが
生んだ真の意味で深遠な作品はないのではなかろうか。
ホセ・オルテガ・イ・ガセット 1883-1955
Jose Ortega y Gasset
1970.3.1 第2刷発行(現代思潮社)
<曖昧な国、スペイン>
「ドン・キホーテ」、この嘲笑の風をよそおった
つつましい小説よりも深遠な本があるだろうか。
この小説にあてられた数々の照明は外国人から
発せられたものである。
それはすてきに珍しいものであった。
つまりわれわれ、スペイン人の場合のように
運命の問題ではなかったのである。
ドン・キホーテはスペインの秘密、そして
スペイン文化の曖昧さの看視人なのだ。
セルバンテスに比べればシェイクスピアは
観念論者に見えてしまう。
「ドン・キホーテ」、この本以上にスペインが
生んだ真の意味で深遠な作品はないのではなかろうか。