2015年07月27日

小説の読み方(1)

「草枕」(21)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2006.5.20 第131刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<小説の読み方(1)>
旅館の部屋で本を読んでいると、女が入って
きた。

「西洋の本ですか、むずかしい事が書いてある
でしょうね」

「なあに」

「じゃ何が書いてあるんです」

「そうですね。実はわたしにも、よく分らないんです」

「ホホホホ。それで御勉強なの」

「勉強じゃありません。只机の上へ、こう開けて、
開いた所をいい加減に読んでるんです」

「それで面白いんですか」

「それが面白いんです」

「何故?」

「何故って、小説なんか、そうして読む方が面白いです」

「余っ程変って入らっしゃるのね」

panse280
posted at 19:02

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