2015年07月18日

羊羹礼賛

「草枕」(12)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2006.5.20 第131刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<羊羹礼賛>

「菓子皿のなかを見ると、立派な羊羹(ようかん)が
並んでいる。余は凡(すべ)ての菓子のうちで尤も
羊羹が好(すき)だ。別段食いたくはないが、あの
肌合が滑らかに、緻密に、しかも半透明に光線を
受ける具合は、どう見ても一個の美術品だ。

・・・
青磁の皿に盛られた青い煉羊羹は、青磁のなかから
今生れた様につやつやして、思わず手を出して撫で
て見たくなる。

西洋の菓子で、これ程快感を与えるものは一つも
ない。

クリームの色は・・少し重苦しい。・・白砂糖と
牛乳で五重の塔を作るに至っては、言語道断の
沙汰でえある。」

panse280
posted at 20:40

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