2015年07月16日

天下の至楽

「草枕」(10)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2006.5.20 第131刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<天下の至楽>

「画をかくのも面倒だ、俳句は作らんでも既に
俳三昧に入っているから、作るだけ野暮だ。

・・二三冊の書籍もほどく気にならん。
こうやって、・・春日に背中をあぶって、縁側に
花の影と共に寝ころんでいるのが、天下の至楽で
ある。

考えれば外道に堕ちる。動くと危ない。出来るな
らば鼻から呼吸(いき)もしたくない。

畳から根の生えた植物の様にじっとして二週間
ばかり暮して見たい。」


注)「春日(しゅんじつ)に背中をあぶって」と
いう表現が新鮮!

panse280
posted at 18:54

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