2015年06月24日

人間の定義

「吾輩は猫である」(36)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2009.9.15 第10刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<人間の定義>

「主人は自分の子ながらも、つくづく考える事がある。
・・・大きくなったなと思うたんびに、後ろから追手
にせまられる様な気がしてひやひやする。
如何に空漠なる主人でもこの三令嬢が女である位は
心得ている。女である以上はどうにか片付なくては
ならん位は承知している。
承知しているだけで片付ける手腕のない事も自覚して
いる。そこで自分の子ながらも少しく持て余している
ところである。
持て余す位なら製造しなければいいのだが、そこが
人間である。人間の定義を云うと外に何もない。
只いらざる事を捏造して自ら苦しんでいる者だと
云えば、それで充分だ。」

panse280
posted at 20:20

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