2015年06月23日

いやーよ、ばぶ

「吾輩は猫である」(35)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2009.9.15 第10刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<いやーよ、ばぶ>
姉妹が顔を洗っている。

「一番小さいのがバケツの中から濡れ雑巾を引きずり
出して頻りに顔中撫で廻している。・・地震がゆる度
におもちろいわと云う子だからこの位の事はあっても
驚ろくに足らん。・・「坊やちゃん、それは雑巾よ」
と雑巾をとりにかかる。坊やちゃんも中々自信家だか
ら容易に姉の云う事なんか聞きそうにない。
「いやーよ、ばぶ」と云いながら雑巾を引っ張り返した。

この”ばぶ”なる語は如何なる意義で、如何なる語源
を有しているか、誰も知ってるものがない。只この
坊やちゃんが癇癪を起した時に折々御使用になるばか
りだ。」

panse280
posted at 23:35

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