2015年06月20日

自覚性馬鹿は最強である

「吾輩は猫である」(32)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2009.9.15 第10刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<自覚性馬鹿は最強である>
「鏡は己惚の醸造器である如く、同時に自慢の消毒器で
ある。もし浮華虚栄の念を以てこれに対する時はこれ程
愚物を扇動する道具はない。
・・・
然し自分に愛想の尽きかけた時、自我の萎縮した折りは
鏡を見る程薬になる事はない。
・・・
こんな顔でよくまあ人で候と反りかえって今日まで暮らさ
れたものだと気がつくにきまっている。そこへ気がついた
時が人間の生涯中尤も有難い期節である。
自分で自分の馬鹿を承知している程尊とく見える事はない。
この自覚性馬鹿の前にはあらゆる”えらがり”屋が悉く
頭を下げて恐れ入らねばならぬ。」

panse280
posted at 17:49

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