2015年06月15日

おっほん!吾輩の文は法語なるぞ!

「吾輩は猫である」(28)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2009.9.15 第10刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<おっほん!吾輩の文は法語なるぞ!>
「凡て吾輩のかく事は、口から出任せのいい加減と思う
読者もあるかも知れないが決してそんな軽率な猫ではない。
一字一句の裏に宇宙の一大哲理を包含するは無論の事、
その一字一句が層々連続すると首尾相応じ前後相照らし
て、瑣談繊話と思ってうっかりと読んでいたものが忽然
豹変して容易ならざる法語となるんだから、決して寝こ
ろんだり、足を出して五行ごと一度に読むのだなどと
云う無礼を演じてはいけない。
柳宗元は韓退之の文を読むごとに薔薇(しょうび)の水で
手を清めたと云う位だから、吾輩の文に対してもせめて
自腹で雑誌を買って来て、友人の御余りを借りて間に合わ
すと云う不始末だけはない事に致したい。」

panse280
posted at 07:49

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字