2015年06月13日

迷亭君が弁当持参でくる

「吾輩は猫である」(26)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2009.9.15 第10刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<迷亭君が弁当持参でくる>

「時にご主人は・・相変わらず午睡(ひるね)ですかね。
・・・
「奥さん、・・僕はまだご飯を頂かないんですがね」
と平気な顔をして・・吹聴する」
・・
「・・それじゃ何もございませんがお茶漬けでも」
・・
「いえ・・今途中で御馳走を誂えてきましたから、
そいつを一つここで頂きますよ」
・・・
細君はたった一言「まあ!」と云ったがその”まあ”
の中には驚いた”まあ”と、気を悪るくした”まあ”と、
手数が省けて有難いと云う”まあ”が合併している。」


日常会話というものは、ここの”まあ”のように
一つの単語に複数の意味が含まれている。

panse280
posted at 15:03

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