2015年05月22日

車屋の黒との出会い

「吾輩は猫である」(4)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2009.9.15 第10刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<車屋の黒との出会い>
「大きな猫が・・寝ている。・・彼は純粋の黒猫
である。・・彼は猫中の大王とも云うべき程の偉
大なる体格を有している。吾輩の倍は慥かにある。
・・ぱらぱらと二三枚の葉が・・落ちた。
大王はくゎっとその真丸の眼を開いた。・・
彼は身動きもしない。双眸の奧から射る如き光を
吾輩の矮小なる額の上にあつめて、御めえは一体
何だと云った。
大王にしては少々言葉が卑しいと思った・・
「吾輩は猫である。名前はまだない」・・と答えた。
・・「そう云う君は一体誰だい」・・「己れあ
車屋の黒よ」・・車屋の黒はこの近辺で知らぬ者
なき乱暴猫である。然し・・強いばかりでちっとも
教育がないからあまり誰も交際しない。」

panse280
posted at 21:07

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字