2015年05月21日

主人の絵のモデルになる

「吾輩は猫である」(3)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2009.9.15 第10刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<主人の絵のモデルになる>
「吾輩は既に十分寝た。欠伸がしたくて堪らない。
然し切角(せっかく)主人が熱心に筆を執っている
のを動いては気の毒だと思うて、じっと心棒して
おった。・・さっきから小便が催している。身内の
筋肉はむずむずする。最早一分の猶予ができぬ・・
のそのそと這い出した。すると主人は失望と怒りを
搔き交ぜた様な声をして、・・「この馬鹿野郎」と
怒鳴った。この主人は人を罵るときは必ず馬鹿野郎
というのが癖である。
・・
元来人間というものは自己の力量に慢じて皆んな
増長している。」

panse280
posted at 20:46

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