2015年05月16日

「常識」の手本としての菊池寛

「小林秀雄」(20)

江藤淳 1932-1999
jyun eto

1990.4.30 第8刷発行(角川文庫)

<「常識」の手本としての菊池寛>
「ドストエフスキイの生活」から「菊池寛論」への
移行をひとつの境い目として、小林の文体の逆説的
な調子が失われ、散文的な平明さに近づいていく。

「近代文学は日本の国民を発見する努力をしていない。
・・・
日本現代文化への働きかけは、自然主義文学運動の
終熄と、鴎外、漱石の死を境として、全くゼロに
なっている。文学者が現在に深く穿ち入る能力を
喪失したからである。
・・・
日本文学に、日本の現在を知る人を求めれば、それは
菊池寛氏一人ぐらいなものではないか。
・・・
「信念」を喪失したインテリに、どうして菊池寛を
軽蔑する資格があるか、と小林はいうのだ。」

panse280
posted at 18:46

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