2015年05月14日

純文学の不純

「小林秀雄」(18)

江藤淳 1932-1999
jyun eto

1990.4.30 第8刷発行(角川文庫)

<純文学の不純>
「僕(小林)が会った文学者のうちでこの人は
天才だと強く感ずる人は志賀直哉氏と菊池寛氏
とだけである。
・・・
菊池氏の鋭敏さは志賀氏の鋭敏さと同様に当代
の一流品だと思っている。鋭敏さが端的で少し
も観念的な細工がないところが類似している。」

「わが国の所謂ブルジョア文学者のうちで、菊池
氏ほど古い文人気質といふものから鮮やかに脱し
た人はいない。
・・・
自然主義文学に反抗した多くの大正期の作家の
うち、一番徹底した改革家は菊池寛氏と武者小路
実篤氏だったらうと思ふ。
・・・
その才能の一番大事な部分をスタイル以外のもの
に費した人だ。そして両方とも結局純文学の世界
では仕事をしなくなってしまった人だ。」

panse280
posted at 07:28

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