2015年05月02日

山椒魚のキン玉の研究

「小林秀雄」(6)

江藤淳 1932-1999
jyun eto

1990.4.30 第8刷発行(角川文庫)

<山椒魚のキン玉の研究>
「小林秀雄の最初の批評を支え、そこに二重の
影を投じていたのはシモンズとシェストフで
あった。このことはきわめて重要である。
彼はシモンズから批評の方法を学んだが、シェス
トフからは批評家の態度を示された。

小林のランボオ像は、いわばこの二つの影の
交錯する点にうかびあがっている。」

シモンズの「認識」、シェストフの「意志」
ランボオの「解放」、チェホフの「絶望」

「・・実につらい、つらい、・・・芸術のために
生きるのだといふ事は、山椒魚のキン玉の研究に
一生を献げる学者と、何んの異なる処があるのか。
人生に於て自分の生命を投げ出して賭をする点
で同じじゃないか。」(小林)

panse280
posted at 14:47

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