2015年04月21日

天才は核を有する

「漱石全集第18巻」(37)
--文学論--

夏目漱石 1867-1916
souseki natsume

1979.8.8 第7刷発行(岩波書店)

<天才は核を有する>
天才はいずれの時にも会釈遠慮なくして、自己特有
なる核をもって見聞きするために凡人と異なる。

ドン・キホーテは騎士の核を有して一生を縦貫する
ものなり。ダーウインは進化の核を有して鳥獣を見、
妻子を見、かねて天子を見るものなり。
蕪村は俳句の核を有して、日月を見、星辰を見、奴婢
を見、又王侯を見るものなり。
彼等は意識毎にこの核を以て主脳とす。

この特色あるを以て、常人の威厳を感ずる所において
笑いを感じ、常人の尊敬を払う所において侮蔑を払い、
常人の不可思議とする所において可思議と断ず。

panse280
posted at 20:55

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