2015年04月19日

詩の情理

「漱石全集第18巻」(36)
--文学論--

夏目漱石 1867-1916
souseki natsume

1979.8.8 第7刷発行(岩波書店)

<詩の情理>
人の最も詩的なるは思索により、商量により
結果を考定するの時にあらずして、真摯の情に
任せて言動する咄嗟の際ならざるべからず。

結婚を背景に控えたる見合い、登用を目的とせる
会談のごときは情を撓め真を偽るの点において
詩的ムードを去る事遠きものなり。

要するに調和法において重んずべきは道理の
脈絡にあらずして情理の脈絡なり。

「我楽し飼鳥鳴く。我病む飼鳥なかず」と
云うのに、もし中間に「故に」と道理の脈絡を
付するとき詩家は詩の用を失し、読者は詩の
功を没す。

panse280
posted at 07:49

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