2015年04月12日

文章の素養とは

「漱石全集第18巻」(29)
--文学論--

夏目漱石 1867-1916
souseki natsume

1979.8.8 第7刷発行(岩波書店)

<文章の素養とは>
文章の素養とは字を識り句を拾ひ章を記するの
謂にあらず、この自然の倉庫より巧みに材料を
採り来たってこれを自家薬籠中のものと鎔化する
の手腕を称するに過ぎず。

テニソンの郊外に出づるや、常に小帖子を携えて
朝に夕に目に触るる自然の変化を写し以て他日の
用に資せりと云ふ。

スチーブンソンは外出の際必ず紙片に、一句二句
の断片的写生を記するの習慣ありしと云ふ。

斯くの如くにして得たる彼等の文字は黴臭き陳句
にあらずして生ける自然の面影なり。

panse280
posted at 06:51

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字