2015年04月11日

文学は解剖にあらず

「漱石全集第18巻」(28)
--文学論--

夏目漱石 1867-1916
souseki natsume

1979.8.8 第7刷発行(岩波書店)

<文学は解剖にあらず>
文学者の解剖は解剖を方便として綜合を目的
とす。綜合の目的を達せざる時は細巧なる
解剖もほとんど無効に帰す。

我国の俳句が僅かに十七文字の制限のうちに
生存しながらもよく描写の方面に文学的効果
を奏し得るは、その用いる手段が常に「美し
き人」「艶なる人」などと単純に云い放つの
みにて決して細々しき科学的分解を含まざる
に原因すること疑いなし。

科学者は概念を伝えんとし、文学者は画を
描かんとす。
前者は物の形と機械的組立を捉え、巧者は
物の生命と心持ちを本領とす。

panse280
posted at 14:45

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