2015年03月19日

未完成なる「文学論」

「漱石全集第18巻」(5)
--文学論--

夏目漱石 1867-1916
souseki natsume

1979.8.8 第7刷発行(岩波書店)

<未完成なる「文学論」>
「この書(「文学論」)は十年の計画を二年に
縮めて組織されたるものなり。・・
今に至って未成品にして、又未完品なるを免れず。
余は他より一倍多忙なり。・・
是余が此未定稿を版行する所以なり。」

「ロンドンに住み暮らしたる二年はもっとも不愉快
の二年なり。余は英国紳士の間にあって狼群に伍する
一匹のむく犬の如く、あはれなる生活を営みたり。
・・・
自己の意志を以ってすれば、余は生涯英国の地に
一歩も吾足を踏み入るる事なかるべし。従って、
かくの如く君等のお世話になりたる余は遂に再び
君等のお世話を蒙るの期なかるべし。
余は君等の親切心に対して、その親切を感銘する
機を再びする能わざるを恨みとす。」

panse280
posted at 19:57

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