2015年03月13日

自力は他力と通ず

「漱石全集第26巻」(6)
--日記及び断片(下)--

夏目漱石 1867-1916
souseki natsume

1979.12.5 第4刷発行(岩波書店)

<断片大正四年(1915)1月頃より11月頃まで>

・大我は無我と一なり故に自力は他力と通ず。

・猫が庭の木立の下に寝ている。椅子に腰を
 かけた私を見ている。姿勢は落着き払っている。
 しかし呼吸がはげしい。自分に似ている。

・人の名声がなくなるという本当の意味は
 その人の行動なり作物なり言論なりが死んで
 いまうという意味である。
 それらが死んでしまうという意味はそれらに
 接触するすべての人に何の働らきも起こさない
 という意味である。

 だから力のあるものを亡ぼすためには当人の
 悪口をいったり冷罵したりその他すべて当人を
 傷つけるような策をめぐらすのは近途のようで
 かえって迂遠なのである。

結論は、自然に任せて置くがいいという方針
 が最上だという事に帰着する。

panse280
posted at 19:28

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