2015年02月18日

文学とは何か?

「父・夏目漱石」(13)
夏目伸六 1908-1975
shinroku matsume

1992.6.25 第3刷発行(文春文庫)

<文学とは何か?>
ロンドンで漱石は乱読する。ことごとくつまらな
かった。

「余は下宿に立てこもり、一切の文学書を行李の
底に収めたり。・・
余は心理的に文学は如何なる必要があって、この
世に生まれ、発達し、頽廃するかを極めんと誓へり。
余は社会的に文学は如何なる必要あって、存在し、
隆興し、衰退するかを究めんと誓へり。」

漱石は猛然と勉強をはじめる「但欲しきは時と金
に御座候日本に帰りて語学教師などに追いつかはれ
候ては思索の暇も読書のひまも無之かと心配候」

「ロンドンに住み暮らしたる二年は尤も不愉快の
二年なり。」「帰朝後の三年有半も亦不愉快の
三年有半なり。」

「講義を作るのは死ぬよりいやだ。それを考へる
と大学は辞職仕りたい。」

「猫」が発表されたのは、帰朝後4年目の正月である。

panse280
posted at 19:56

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