2015年02月17日

米山保三郎

「父・夏目漱石」(12)
夏目伸六 1908-1975
shinroku matsume

1992.6.25 第3刷発行(文春文庫)

<米山保三郎>
漱石の一生を決定づけた人物は米山保三郎だろう。

漱石は、絶えず上役の機嫌を窺いながら世を渡る
サラリーマンになりたくなかった。そこで、工科
の建築科に入ったが、そこにはほんの少ししか
在籍しなかった。

「今の日本で後世に残し得るような美術建築は
到底不可能であり、むしろ文学ならば、幾百年
幾千年の後にも伝えるべき大作も出来るではない
か」と熱く漱石に語ったのが哲学科の米山保三郎
で、「その晩即席に自説を撤回して」文科に転向
する決意を固めた。

米山保三郎は「猫」では「天然居士」で出ている。

なぜ、嫌いな英文学を選択したかというと、「国語
や漢文なら別に研究する必要もない様な気がした
から、英文学を専攻することにした。」

卒業時、漱石は「卒業せる余の脳裏には何となく
英文学に欺かれたるが如き不安の念あり。」
「此栄光ある肩書(文学士)を頂戴しながら、心中
甚だ寂寞の感を催したり。」

panse280
posted at 19:31

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