2015年02月06日

父・夏目漱石

「父・夏目漱石」(1)
夏目伸六 1908-1975
shinroku matsume

1992.6.25 第3刷発行(文春文庫)

<私は父を愛していなかった>
私は父(漱石)に愛情らしい愛情を抱いて
いなかった、今も同様依然として抱いていない。
・・・
当時の私にとっては、いつ怒鳴られるか、それが
父に対する最大の恐怖だった。
・・・
私は父が病気だったことを承知している。
・・・
父の真実の気持ちさえ、私には決して通じなかった。
生前、私は父を欺き通してしまった。
父はそれを少しも知らずに死んでしまったことを考
えると本当に申し訳なかったという侘しい後悔の念を
感ずるのである。

panse280
posted at 17:24

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