2015年01月22日

鏡子の朝寝坊

「漱石の思い出」(8)

夏目鏡子述 1877-1963
kyoko natsume

2009.10.25 第7刷発行(文春文庫)

<鏡子の朝寝坊>
漱石は妻の朝寝坊について「10時ごろまで寝ている
女は、お妾か娼妓ぐらいのものだ・・」と小言を
いったが、妻の朝寝坊は漱石が死ぬまで続いた。

<漱石狂う?>
ロンドンから帰った漱石は確かに異常だった。

「書斎に入ってみると、机の上に墨黒々と半紙に
こういう意味の文句が書いてのせてありました。
「予の周囲のものことごとく皆狂人なり。それが
ため予もまた狂人のまねをせざるべからず。
ゆえに周囲の狂人の全快をまって、予も佯狂を
やめるもおそからず」。気味の悪いたらありません
でした。」

夕飯時、子供が歌を歌ったら膳をひっくり返して
書斎に入ったり、真夜中2時頃に急に食事を要求し
ながら、翌朝みると、手をつけていなかったり、
近所の書生を探偵と思い込んで怒鳴ったり・・・

37年(1904:漱石37歳)ごろから異常行動がなく
なり、この秋から帝大一高の他、明大の授業もや
りましたが、生活は苦しかった。

panse280
posted at 18:48

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