2015年01月08日

一茶と良寛と芭蕉

「一茶と良寛と芭蕉」(1)

相馬御風 1883-1950
gyofu souma

1997.11.25 第1版第1刷発行(恒文社)

<運命を呪った一茶>
信じられないことだが、一茶は良寛のような
歌をよんでいる。

焚くほどは風がもて来る落葉かな(良寛)
焚くほどは風がくれたる落葉かな(一茶)

一茶ほど幼な児のそれのごとき赤裸々さをもって
我執を表白し続けた詩人は、わが国の過去には
ほとんど無かったであろう。そこに一茶の魅力
と弱点がある。

芭蕉の漂白は彼の要求であったが、一茶の漂白は
強いられたものであった。

一茶は清貧を楽しむ人ではなかった。彼は生涯、
貧に住し、それを呪った。どうしようもない運命
の前に、一切を投げ出した。

ともかくもあなたまかせの年の暮(一茶57歳)

すでに髪白く、歯はなく、服もみすぼらしかった
50歳の一茶は、28歳の嫁を迎えた。一茶、初めて
の春である。

一茶と良寛と芭蕉
相馬 御風
恒文社
1997-11



panse280
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