2014年12月25日

蕪村の技量

「俳人蕪村」(4)

正岡子規  1867-1902 
shiki masaoka

1967.6.5 初版発行(中央公論社)

<蕪村のクセ>
一茶の句、名句なきにはあらざるも、句法に
おいて蕪村の「酒を煮る」「絵団扇」のごと
きしまりなく、意匠において「杜若」「時雨」
のごとき趣味を欠きたり。

俗語を用いたる一茶のほかは漢語にも古語にも
蕪村は匹敵者をもたず。
用語の一点においても蕪村は俳句界独歩の人なり。

蕪村の句は堅くしまりて揺(うご)かぬがその
特色なり。
蕪村に癖あり。長き形容詞を句尾に置く。

<つつじ咲て石うつしたる嬉しさよ>(蕪村)
(嬉し、といわず、嬉しさよ,とする)

さらに、結尾に「に」を置くは驚きなり。

<菜の花や月は東に日は西に>(蕪村)

人がこれを模倣すれば必ずや失敗に終らん。
千首の俳句を残したる俳人は四、五人に足らず。
蕪村、一千四百余首あり。
ただ驚くべきは蕪村の作が千句ことごとく佳句なる
ことなり。俳句における蕪村の技量は芭蕉の及ぶと
ころにあらず。

panse280
posted at 18:48

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