2014年11月15日

空念仏

「南無阿弥陀仏」(20)

柳宗悦  1889-1961
nuneyoshi yanagi

1991.8.6 第2刷発行(岩波文庫)

<空念仏>
「念仏は往生を得るための方便と考えてはなら
ぬ。何々のために念仏の行を行ずるのではない。
我が念仏の力で往生が出来ると思うのは間違い
である。往生は念仏自らに備わったおのれなり
の功徳なのである。」

一遍上人曰く、火で物を燃やすのは、火その
ものの徳なのである、と。

幕末の頃、お園という女が「南無阿弥陀仏」を
口ずさんで暮らしていた。いきずりの人が、
「ああまた空念仏か」と嘲った。
お園は、その人を追っていって、お礼を言った。
空念仏とはよくも言って下された。もしも私の
念仏が功(てがら)になるならどういたしま
しょう、と。お園にとっては、「空念仏」という
他人の評価がこの上もなく嬉しかったのである。

panse280
posted at 20:52

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