2014年08月28日

悟空が唯一、怖かったこと

「中島敦」(4)
中島敦 1909-1942
atsushi nakajima

2008.3.10 第1刷発行(ちくま日本文学012)

【悟浄歎異】(4)
--沙門悟浄の手記--

<悟空が唯一、怖かったこと>
「悟空の今一つの特色は、決して過去を語らぬ
ことである。というより、彼は、過去った事は
一切忘れてしまうらしい。・・

その代り、一つ一つの経験の与えた教訓はその
都度、彼の血液の中に吸収され、直ちに彼の精神
及び肉体の一部と化してしまう。・・

彼が戦略上の同じ誤りを決して二度と繰返さない
のを見ても、これは判る。

但し、彼にも決して忘れることの出来ぬ怖ろしい
体験がたった一つあった。
・・・
それは、彼が始めて釈迦如来に知遇し奉った時の
ことだ。」

釈迦如来は、この時、悟空を岩山の下の500年も
閉じ込めることになった。

panse280
posted at 18:10

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