2014年05月09日

宣長の信仰

「学生との対話」(23)
小林秀雄
hideo kobayashi 1929-1983

2014.3.30 発行(新潮社)

<日本人の神とは?>
学生の質問:本居宣長さんは神を信じていましたか?

小林「本居さんは「とうとうわからなかった」と
言っています。語源がまずわからない。中国の神で
もないし、英語のゴッドでもない。
日本の神というのは、宣長さんの研究では、何か
優れた、恐るべき能力を持ったものです。
それは、タヌキでもキツネでもいい。
海や山も木も神です。
古人は山は心を持っているものだと信じた。」

<宣長の信仰>
宣長さんは「古事記」には少しも「道」らしいもの、
理屈めいたものがないことに気づきました。
道というものを知りながら、道らしいことを全然
説かずに暮らしている、そう宣長さんは信じた。
そんな日本の国こそ、まことにありがたい国だと
思わなくてはならない、というのが宣長さんの
信仰です。

panse280
posted at 20:46

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