2014年04月29日

本居宣長って何?

「学生との対話」(13)
小林秀雄
hideo kobayashi 1929-1983

2014.3.30 発行(新潮社)

<本居宣長って何?>
歴史を学んでいる学生は本居宣長の信仰が理解
できないという。

小林氏は言う。「僕は宣長をいつか書こうと
思っています。」
(注:小林氏の遺作は「本居宣長」である)

宣長の「おおらかに見る」という方法は、経験的
方法と訳されているが誤訳です。

「宣長さんはどういう心持ちで研究していたか、
どんなふうに考えていたか、僕はそこを書きたい
と思う。宣長さんは矛盾に陥ったかもしれない。
だけど、あの人の生き方とか人生観において、
ちっとも矛盾はなかった。なぜ矛盾はなかったのか、
と言えば、あの人はある信念に達していたからです。」

「宣長さんの念願は「古事記」をみんなに読ませ
たいということだった。古代人の感情、思想を
伝えたくてたまらなかったのだ。」

宣長さんは、「古事記」と付き合ううちに、古人
のように生きることが人間として一番正しく、
健康的なのではないか、と考え始めた。この考え
が、宣長さんの信念を養っていった。

panse280
posted at 16:28

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